歯科用レントゲンについて
2024年2月5日
こんにちは。品川勝島おもち歯科・矯正歯科です。
歯科医院でよく撮るレントゲン写真。
「必要なのはわかるけど、被ばくが心配」「本当に必要なの?」と疑問に思っていらっしゃる方も多いかと思います。
今回はそんな「歯科用レントゲン」についてお話させていただきます🐈
歯科で主に用いられるレントゲンの種類
●デンタル
小さなフィルムをお口の中に入れて固定し、部分的に2~4歯を撮影するもので、小さな虫歯や被せ物の下の虫歯、根の先の状態などの細かな情報が得られます。
●パノラマ
頭の周りを撮影機械が一周し撮影するもので、口の中全体を撮影できます。親知らずや永久歯の有無、顎の骨の状況など、一回の撮影で顎全体の大まかな情報を得ることができます。
●歯科用CT
パノラマと同じく、頭の周りを撮影機械が一周し撮影するもので、複数の方向から撮影した画像を元に3次元データを作成します。歯の根の三次元的な形、インプラント前の骨の状態確認や埋伏歯の位置、親知らずと下顎管(顎の中にある神経の通り道)の位置関係などを把握することができます。
●セファロ(頭部X線規格撮影)
耳にイヤホンのようなロッドを入れて固定し撮影するもので、矯正治療の際に顎の前後的な位置や歯の傾きなどを計測するために用います。
●顎関節パノラマ断層撮影
パノラマ撮影と同様の方法で、開口時と閉口時の2回撮影するもので、顎関節の状態を調べるために用います。
レントゲン撮影の必要性
むし歯や歯周病などのお口の中の疾患は、初期のうちは自覚症状に乏しいため、気づかぬうちに進行している危険があります。
また、これらの疾患は、歯の中、歯と歯の間、詰め物や被せ物の下、歯茎の下の骨(歯槽骨)、骨の中にある歯の根(歯根)周辺など、直接目で見ることのできない場所で起こっていることが多くあります。
そのため、「視診」や「触診」だけでは多くの疾患を見逃してしまうことに繋がりかねません。
その時に大いに役立つのが「画像診」であるレントゲン写真です。
目には見えないところの虫歯や、根の先の病気を映し出してくれるほか、歯茎の下の顎の骨の状態から歯周病の度合いを判断することができます。
もちろんレントゲン撮影によりすべての病気が発見出来るわけではないですが、肉眼に比べてはるかに多くの情報を得られることから、正確な診断や治療には必要不可欠なものと言えます。
また、根の治療の際に材料が問題なく詰められたか、経過観察中に以前と比べて状態がどう変化しているかなどを把握するために撮影することもあります。
以上のように、歯科治療においてレントゲン撮影はとても重要であり、「病気の早期発見」、「正確な診断」、さらには「治療の確認」など様々な目的で利用されています。
レントゲン撮影による被ばく量
レントゲン撮影の際にやはり「被ばく量」が気になる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、私たちが普通に生活している状態でも被ばくしているのはご存知でしょうか?
実は、放射線は常に宇宙から地球へ降り注いでいたり、食べ物にも微量の放射性物質が含まれているため、日常生活においても自然と被ばくしてしまうのです。これを、「自然被ばく」といいます。
通常の日常生活による「自然被ばく」は年間でおよそ2.4mSvとされています。
一方、歯科用レントゲンによる被ばく量は、パノラマで0.03mSv、デンタルでは0.01mSv、歯科用CTでは0.1mSvとされています。
医療従事者などを除く一般的な方での被ばく量の上限は年間1mSVとされていることからも、歯科治療の際のレントゲンによる被ばく量を過度に心配する必要がないことをご理解いただけると思います。
当院で導入しておりますレントゲン撮影の機械はデジタルタイプで、従来のものと比較し被ばく量がおさえられておりますのでご安心ください。
環境省HP
(https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02-05-12.html)より抜粋
いかがでしたか?
当院でも初診時や治療中、検診の際など必要に応じてレントゲンを撮影しております。また、撮影の際には防護エプロンも着用していただきますので、ご安心いただければと思います。
なお、現在ご妊娠中の方や放射線治療を受けている方は、撮影時期や方法にも配慮いたしますので、ご相談ください。